大腸がんについて
大腸・肛門外科
大腸がんについて
進行度(ステージ)について
大腸がんの治療は、進行度(ステージ)によって決まります。進行度(ステージ)は、進達度(腫瘍の深さ)、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無から総合的に判断します。
進達度(腫瘍の深さ):大腸がんの深さは、注腸造影検査、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)、CT検査、MRI検査などを用いて診断し、深さによって、T1a〜T4bに分類されます。
リンパ節転移:大腸がんは進行すると、大腸の周囲の「リンパ節」に転移することがあります。リンパ節転移の有無はCT、MRI検査などで診断します。
遠隔転移:さらに大腸がんが進行すると、肝臓、肺など大腸から離れたところに転移することがあります。このような転移を「遠隔転移」といいます。CT検査、腹部超音波検査などを用いて診断します。
標準的な治療方針
標準的な治療方針大腸がん治療ガイドライン2022年版
手術後の経過
腸の機能の回復とともに少しずつ食事もとれるようになって、術後3日目に食事開始となります。経過が順調な場合は、術後6日目で退院が可能になります。術式などにより異なる場合や、術後の合併症などで、入院期間が延びる場合があります。詳しい経過については、手術が決まってから担当医から詳しくご説明します。
合併症とは異なりますが、臓器切除による機能障害が出現することがあります(「後遺症」のようなもの)。切除する腸管の部位や範囲によって機能障害の程度や頻度は異なります。排尿障害や性機能障害は、直腸がん術後で起こりうる障害ですが、ロボット手術ではその頻度が少なく、出現しても比較的早期に回復するというメリットがあります。
大腸がんについてもっと知りたい方へ
大腸がんは、がんの罹患数では1位、死亡数では2位を占める(2018年)、日本人にとって“もっとも身近ながん”のひとつです。当科では、一般の方への大腸がんに関する情報提供にも力を入れています。患者さん・ご家族向け冊子と、ウェブサイト、書籍を紹介します。
患者さん・ご家族向け冊子
大腸がんとその標準的治療について、全24ページにまとめられています。 大腸がんと診断された患者さん・ご家族の方に、まず最初にお手にとっていただくのに適した内容になっております。大腸がん体験者の体験談コラムも載っています。ウェブサイト
大腸がんの治療を多く行っている、研究会参加施設(医療機関)の一覧が掲載されています。一般の方向けの情報も掲載されています。「大腸がん治療ガイドライン」の主要部分も閲覧できます。ウェブサイト
杉原 前・教授が、大腸がんの診断から治療まで、動画でわかりやすく解説しています。大腸がんを経験した患者さんの体験談も掲載されています。
書籍
日本の大腸がんの標準治療の指針である「大腸がん治療ガイドライン」の、一般の方向けの解説書です。書籍
大腸そのものの構造や、大腸がんの基礎知識から始まって、早期発見に役立つ、さまざまな検査法について紹介しています。最も気になる治療法では、手術とそれ以外の方法に分けて、図解を交えながら詳しく丁寧にわかりやすく解説しています。経済面の問題や、臨床試験についての情報も掲載しています。